最終更新: 2026-10-03
「よなよなエール」のボトルはコンビニやスーパーでよく見かけるのに、作っている会社「ヤッホーブルーイング」がどんな会社かは意外と知られていません。結論から言うと、ヤッホーブルーイングは長野県軽井沢町に本社を置く、クラフトビール専業メーカーとして国内最大手の企業です。星野リゾート創業家の新規事業として1996年に生まれ、一時は廃業寸前まで追い込まれながらファンマーケティングで復活した会社でもあります。
本記事では、ヤッホーブルーイングの会社概要と逆転復活の沿革、よなよなエールをはじめとするブランドラインナップ、全国の拠点を一次情報で整理します。さらに2026年7月23日に大阪・泉佐野市で開業したばかりの新拠点「よなよなビアライズ」についても、見学ツアーの予約状況まで詳しく解説します。
ヤッホーブルーイングとは?会社概要を整理

まず公式情報と報道をもとに、会社の基本データを確認します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 社名 | 株式会社ヤッホーブルーイング |
| 設立 | 1996年5月2日(創業は1997年) |
| 本社所在地 | 長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉2148番地 |
| 創業者 | 星野佳路氏(星野リゾート代表) |
| 代表取締役社長 | 井手直行氏(2008年就任) |
| 主力ブランド | よなよなエール、インドの青鬼、水曜日のネコ ほか |
| 業界内の位置づけ | クラフトビール専業メーカーとして国内最大手(複数の業界メディアが報道) |
| 事業ドメイン | 「ビール製造業」から「ビールを中心としたエンターテインメント事業」へ |
ヤッホーブルーイングは星野リゾートのグループ会社として1996年に設立されました。星野佳路氏が米国留学時代にエールビールの味に感銘を受け、当時の星野リゾートの年商の半分近くにあたる初期投資を投じて立ち上げた事業だったと伝えられています。
廃業寸前からのV字回復――ヤッホーブルーイングの沿革
ヤッホーブルーイングの歴史で特に知られているのが、1990年代末の「地ビールブーム」終焉後の苦境と、そこからの復活劇です。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 1996年 | 星野リゾートのグループ会社として設立 |
| 1997年 | 軽井沢で醸造開始、「よなよなエール」などを販売 |
| 1999年頃〜 | 全国的な地ビールブームが終焉し、業績が低迷 |
| 2003年 | 経営が苦境に陥る |
| 2004年 | インターネット販売とファンコミュニティづくりに本格着手 |
| 2005〜2007年 | 3年連続で売上が30%以上増加 |
| 2008年 | 創業メンバーの井手直行氏が星野佳路氏から経営を引き継ぎ、社長に就任 |
1990年代後半、地方の中小醸造所が乱立した「地ビールブーム」が去ると、ヤッホーブルーイングも例外なく売上が落ち込みました。2003年には存続が危ぶまれるほどの苦境に陥りますが、2004年からインターネット販売とファンとの直接的な関係づくりに舵を切ったことで流れが変わります。2005年から3年連続で売上が30%以上伸びるという、地ビールブーム以来の急成長を遂げ、経営を立て直しました。この過程を経て2008年、創業メンバーの一人だった井手直行氏が星野佳路氏から経営を引き継いでいます。
よなよなエールだけじゃない――ブランドラインナップ
ヤッホーブルーイングは複数のビールブランドを展開しています。
| ブランド | 特徴 |
|---|---|
| よなよなエール | 看板商品のペールエール。アメリカンホップの柑橘系アロマが特徴 |
| インドの青鬼 | 高いホップ比率が特徴の人気IPA |
| 水曜日のネコ | オレンジピールとコリアンダーシードを使ったベルジャンホワイトエール |
| 裏通りのドンダバダ | フルーティーな香りのセゾンスタイル |
| 正気のサタン | 高アルコールのインペリアルIPA |
| 軽井沢高原ビール | 1997年から続く軽井沢限定ブランド。売上の一部を軽井沢の自然保護活動に寄付 |
| クラフトザウルス | 軽井沢エリア限定の缶ビールシリーズ |
なお「軽井沢高原ビール」は、別会社である軽井沢ブルワリー株式会社の「THE軽井沢ビール」としばしば混同されます。両社は資本関係のない別企業で、名称をめぐって過去に商標の争いがありました。詳しい経緯は軽井沢ブルワリー完全ガイドで比較しています。
全国の拠点一覧――軽井沢から北海道、そして大阪へ
ヤッホーブルーイングは本拠地の軽井沢・佐久エリアを中心に、全国へ拠点を広げています。
| エリア | 拠点 |
|---|---|
| 長野県 | 本社(軽井沢町)、佐久醸造所(佐久市小田井)、御代田醸造所(北佐久郡御代田町馬瀬口) |
| 東京都 | 直営パブ「YONA YONA BEER WORKS」(神田・青山・吉祥寺・新宿東口・恵比寿東口・新虎通りの計6店舗) |
| 東京都(品川) | 「YONA YONA TOKYO BREWERY」。2026年3月30日に品川インターシティへ開業した、駅直結では国内最大級の醸造所併設レストラン |
| 北海道 | エスコンフィールドHOKKAIDO内の直営店(2023年3月オープン) |
| 大阪府 | 「よなよなビアライズ」(2026年7月23日開業、詳細は次章) |
品川の「YONA YONA TOKYO BREWERY」については、東京のクラフトビールブルワリー完全ガイドでも紹介しています。
新拠点「よなよなビアライズ」――大阪・泉佐野に体感型ブルワリーが誕生
2026年7月23日、ヤッホーブルーイングは大阪府泉佐野市のりんくうタウンに新拠点「ヤッホーブルーイング大阪醸造所 よなよなビアライズ」を開業しました。これまで長野県に集中していた製造拠点を、初めて県外・関西圏へ展開した事例です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 大阪府泉佐野市りんくう往来北1-24 |
| 開業日 | 2026年7月23日 |
| アクセス | 南海・JR「りんくうタウン駅」1番出口から徒歩約4分、関西国際空港から電車で直結 |
| 敷地面積 | 8,256.35㎡ |
| 建物延べ床面積 | 2,025.10㎡ |
| 年間製造能力 | 約900キロリットル |
| 総事業費 | 30億円超 |
| 資金調達 | 泉佐野市の独自制度「ふるさと納税3.0」を活用したクラウドファンディング |
なぜ大阪・泉佐野だったのか
りんくうタウンは関西国際空港の対岸に位置する人工都市エリアです。ヤッホーブルーイングは関西圏での知名度向上とインバウンド需要の取り込みを狙い、泉佐野市の「ふるさと納税3.0」制度を活用した国内最大規模級のふるさと納税型クラウドファンディングで資金を調達しました。単なる製造工場ではなく、タンクから自分でビールを注げる「蔵出しビール」の提供や、ハーブガーデン・ホップのカーテンテラスといった屋外スペース、週末のキッチンカー出店など、「ビールでピースなサプライズ!」をコンセプトにしたエンターテインメント施設として設計されている点が特徴です。
見学ツアーは争奪戦――予約状況
よなよなビアライズの目玉企画が「大人の醸造所見学ツアー」です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 3,630円(グラス付き) |
| 定員 | 1回あたり12名 |
| 開催曜日 | 金・土・日曜日のみ |
| 開催頻度 | 営業日ごとに3回程度(変更の可能性あり) |
| 内容 | 製法・歴史のレクチャー、醸造設備の見学、蔵出しビールの試飲 |
| 予約方法 | 公式サイトでの先着予約制 |
開業直後の人気は想定を上回り、2026年7月23日〜8月30日開催分(全55回・672人分)は販売開始からわずか1時間で完売しました。10月分の予約は2026年9月7日正午から受付が始まっています。訪問を検討している場合は、公式サイト(よなよなの里)で最新の予約状況を確認してから計画を立てることをおすすめします。
ビール業界におけるヤッホーブルーイングの規模感
経済産業省の経済構造実態調査(2022年度、e-Stat 統計表ID: 0004048564)によると、都道府県別のビール出荷金額は長野県が27億2,600万円、大阪府が721億6,700万円となっています。ヤッホーブルーイングの主力拠点は長野県ですが、今回の大阪進出によって、全国でも出荷規模の大きいエリアに製造拠点を持つことになりました。
ヤッホーブルーイング自体の売上高は非公開ですが、複数の業界メディアが「クラフトビール専業メーカーとしては国内最大手」と報じています。全国の人気ブルワリーの中での位置づけは人気ブルワリーランキング10選や国内クラフトビール人気ランキング15選でも紹介しているので、あわせて参考にしてください。
全国の醸造所をエリアや規模で探したい場合は、日本クラフトビールブルワリーデータベース【全国252件】も活用できます。
ヤッホーブルーイングに関するよくある質問
Q1: ヤッホーブルーイングと星野リゾートは関係がありますか?
はい。ヤッホーブルーイングは1996年に星野リゾートのグループ会社として設立されました。創業者は星野リゾート代表の星野佳路氏です。2008年に創業メンバーの井手直行氏が経営を引き継ぎ、現在まで社長を務めています。
Q2: 「軽井沢高原ビール」とヤッホーブルーイングは同じ会社の商品ですか?
はい、ヤッホーブルーイングのブランドです。ただし「THE軽井沢ビール」を製造する軽井沢ブルワリー株式会社とは別会社で、過去に商標をめぐる争いがありました。詳しくは[軽井沢ブルワリー完全ガイド](https://brewhub.jp/brewery/karuizawa-brewery-complete-guide/)で解説しています。
Q3: よなよなビアライズの見学ツアーは予約必須ですか?
必須です。公式サイトでの先着予約制で、開業直後(2026年7〜8月分)は販売開始から1時間で完売するほどの人気でした。訪問を計画する場合は、予約開始日を公式サイトで確認し早めに申し込むことをおすすめします。
関連記事: サッポロビール博物館ガイド|150周年リニューアルの料金・予約
関連記事: しまなみブルワリーとは?ラガー専門の尾道発醸造所と新作いよかんサワー
関連記事: GRANDLINE BREWING(横須賀)とは?3周年記念ビール「Third Party」と名前の由来
まとめ:ヤッホーブルーイングのポイント
- ヤッホーブルーイングは1996年、星野リゾートのグループ会社として設立。星野佳路氏が創業し、2008年に井手直行氏が経営を引き継いだ
- 1999年の地ビールブーム終焉後に苦境を経験したが、2004年からのネット販売・ファンマーケティングで2005〜2007年に3年連続30%増収を達成し復活した
- よなよなエール、インドの青鬼、水曜日のネコなど複数ブランドを展開。「軽井沢高原ビール」は別会社「THE軽井沢ビール」との混同に注意
- 拠点は長野県(軽井沢・佐久・御代田)を中心に、東京(品川ほか)、北海道、そして2026年7月に大阪・泉佐野へ新規開業
- 新拠点「よなよなビアライズ」の見学ツアーは3,630円・金土日限定・先着予約制で、開業直後は1時間で完売する人気ぶり
ヤッホーブルーイングの他ブランドや関連拠点が気になった方は、軽井沢ブルワリー完全ガイドや東京のクラフトビールブルワリー完全ガイドもあわせてご覧ください。
参考情報
- Wikipedia「ヤッホーブルーイング」(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%83%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0 、確認日: 2026-10-03)
- 日経クロストレンド「長野発ヤッホーブルーイング、大阪・泉佐野で体験型ブルワリー建設のなぜ」(https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/watch/00013/02574/ 、確認日: 2026-10-03)
- ヤッホーブルーイング公式ニュースリリース「ヤッホーブルーイング大阪醸造所 よなよなビアライズ 開業日決定」(https://yohobrewing.com/news_release/news_release-6292/ 、確認日: 2026-10-03)
- Impress Watch「よなよなエールのヤッホー、エンタメ備えた醸造所『よなよなビアライズ』」(https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1658035.html 、確認日: 2026-10-03)
- かんでんWITH YOU「【現地レポ】よなよなビアライズ(大阪)の見学ツアー予約・料金・アクセス」(https://media.kepco.co.jp/town-and-life/17855055 、確認日: 2026-10-03)
- フードウイークリーWEB「予約1時間で完売!『よなよなビアライズ』大阪に誕生!」(https://f-weeklyweb.com/kansai20260723/ 、2026年7月、確認日: 2026-10-03)
- ヤッホーブルーイング公式サイト「よなよなの里 よなよなビアライズ」(https://yonasato.com/base/yonayona_beerise/ 、確認日: 2026-10-03)
- 日経クロストレンド「ヤッホー社長が語る廃業危機 星野リゾート社長の一言で涙の発奮」(https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00062/00001/ 、確認日: 2026-10-03)
- 経済産業省 経済構造実態調査(2022年度、品目編)e-Stat(https://www.e-stat.go.jp/ 、統計表ID: 0004048564、確認日: 2026-09-28)


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