高松のクラフトビール完全ガイド|ブルワリー・タップルーム・バー厳選8選【2026年版】

高松のクラフトビール完全ガイド|ブルワリー・タップルーム・バー厳選8選【2026年版】 ビールの楽しみ方

最終更新: 2026-07-12

総務省・経済産業省の令和3年経済センサス-活動調査によると、従業者4人以上の事業所を対象とした統計で、香川県の「ビール」産出事業所はわずか1件です(e-Stat 統計表ID 0004003981、2020年実績)。ところが実際の高松の街を歩くと、醸造所併設の週末限定タップルーム、三越の裏手のボトルショップ、路地裏のビアバーと、クラフトビールに出会える場所が次々に見つかります。高松のクラフトビールシーンは、統計の網にかからないほど小さな造り手たちが主役の、いままさに成長中の世界なのです。

「高松にクラフトビールのイメージがない」「うどん県でビール?」「出張や観光のついでに寄れる店を知りたい」と感じている方は多いのではないでしょうか。実は高松には、開業からわずか2年で180種類のビールを生み出したブルワリー、ファントムブルワリーから自社醸造所の稼働へ駒を進めた新星、うどんをコンセプトにしたビールまで、この街でしか出会えない個性派が揃っています。しかも主要スポットの多くが中心市街地の徒歩圏に集まっているため、1日あれば主要どころをほぼ回れます。

この記事では、高松のクラフトビールシーンの特徴を統計データとあわせて解説したうえで、編集部が厳選したブルワリーとタップルーム・ビアバー8選を紹介します。週末の営業時間に合わせた徒歩モデルコースや、造り手のビジネスモデルという少し踏み込んだ視点も盛り込みました。高松でのビール体験の計画にぜひお役立てください。

高松のクラフトビールシーンの特徴|統計に映らない小さな造り手たち

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高松のクラフトビールを理解するうえで押さえておきたいのが、「統計上はほぼ存在しないのに、実際のシーンは活発」というギャップです。

冒頭で紹介したとおり、従業者4人以上の事業所を集計する令和3年経済センサス-活動調査では、香川県のビール産出事業所は1件のみで、出荷量・出荷額は秘匿値(X)になっています(総務省・経済産業省、e-Stat 統計表ID 0004003981、2020年実績)。同じ調査で全国のビール産出事業所は118件、出荷量は約197.6万kl、出荷額は約8,129億円ですから、香川は全国の巨大なビール市場のなかで統計上ほとんど姿が見えない県ということになります。

しかし実態は異なります。クラフトビール情報サイトのCRAFT BEER LABによると、香川県内のマイクロブルワリーは8軒(2023年11月時点)。その多くはスタッフ数人の小規模事業者で、従業者4人以上を対象とする経済センサスには表れません。つまり香川・高松のクラフトビールは「統計に映らないほど小さな造り手による、地域密着型の産業」なのです。マイクロブルワリーという業態の定義や規模感はマイクロブルワリーとは何かを解説した記事で詳しく紹介しています。

もうひとつの特徴は、スポットの集積度です。高松は瓦町・片原町を中心に日本有数の長さを誇るアーケード商店街が伸びるコンパクトな街で、ブルワリー直営店やビアバーの多くがこの徒歩圏に収まっています。

エリア 主なスポット 特徴
中心市街地(内町・大工町・瓦町周辺) OHLOY STORE、メゾン ドゥ ビエール、タビ式 三越や商店街から徒歩圏。バー・ボトルショップが集中
松島町(ことでん今橋駅方面) せとうちブルワリー/リバーサイド351 醸造所併設の週末限定タップルーム
多賀町(ことでん花園駅方面) しろすずめ 醸造所併設ビールルームで造りたてを提供

JR高松駅からことでん瓦町駅までは徒歩20分ほど。どのエリアも中心部から歩いて回れる距離にあり、「醸造所のタップルームで造りたてを飲み、商店街のバーで世界のビールと飲み比べる」という回遊が半日で完結します。そもそもクラフトビールとは何かを基礎から知りたい方は、クラフトビールの定義と魅力を解説した記事からどうぞ。

高松のクラフトビールブルワリー4選

まずは高松の造り手から紹介します。編集部がアクセス・個性・体験のしやすさの3軸で選んだ4ブランドです。

ブルワリー 拠点 始動年 特徴
せとうちブルワリー(SETOUCHI BEER) 高松市松島町 2021年 開業2年で180種類を醸造。週末限定タップルーム併設
OHLOY BREWING 高松市(醸造所は牟礼町) 2022年 ファントムブルワリー発。2026年6月に自社醸造所が始動
しろすずめ 高松市多賀町 2020年 低温熟成に時間をかける丁寧な造り。ビールルーム併設
UDON BREWING 高松市 うどんをコンセプトにした異色のビールを醸造

せとうちブルワリー(SETOUCHI BEER)|開業2年で180種類を生んだ多作の雄

高松市松島町に醸造所を構える、株式会社瀬戸内(2020年11月設立)のビールブランドです。2021年の開業から2年間で180種類ものビールを世に送り出してきた多作ぶりが最大の特徴で、地元高松の水にドイツ産・イギリス産の麦芽を合わせ、瀬戸内の風土に寄り添う味わいを追求しています。

訪れるたびにタップリストが入れ替わっているため、「今日は何があるか」を楽しみに通えるブルワリーです。醸造所に併設された週末限定タップルーム「リバーサイド351」については、次の章で詳しく紹介します。

OHLOY BREWING(オーロイブルーイング)|設備を持たない挑戦から自社醸造所へ

「OHLOY(おうろい)」は香川の方言で「恵みの雨」を意味します。坂出市出身の渡邊仁さんが2022年に立ち上げたブランドで、「クラフトビールを軸に人、地域、世の中に潤いを」をスローガンに掲げています。

注目したいのはそのビジネスモデルです。OHLOYは自前の醸造設備を持たず、他社の設備を借りてレシピを形にする「ファントムブルワリー」として活動を始めました。初期投資を抑えてブランドと販路を先に育て、軌道に乗ってから設備投資に進む。この手順は近年のクラフトビール開業の王道パターンのひとつで、OHLOYは2026年6月、高松市牟礼町に完成した自社醸造所で仕込みを始める段階へ駒を進めました(KSB瀬戸内海放送報道より)。ブランド先行型の開業手順に興味がある方は、ブルワリー開業に必要な資格と免許を解説した記事もあわせて読むと理解が深まります。

しろすずめ|低温熟成にこだわる醸造士のブランド

醸造士の村石啓さんが2020年に立ち上げた、高松市多賀町のブルワリーです。発酵後の低温熟成にしっかりと時間をかけ、まとまりのある味わいに仕上げるのが信条。醸造所には自社製品を含む最大5種類のクラフトビールを楽しめるビールルームが併設されており、造り手の目が届く距離で一杯を味わえます。ことでん花園駅から歩ける立地で、中心部からのアクセスも良好です。

UDON BREWING|うどん県ならではの異色ブルワリー

その名のとおり、うどんをコンセプトにしたビールを手がけるブルワリーです。「うどん県」香川の看板を背負ったようなブランドで、後述するリバーサイド351のタップにも登場します。ご当地素材を使うブルワリーは全国にありますが、県民食そのものをテーマに据えた例は珍しく、高松土産の話題づくりにもうってつけです。

高松のタップルーム・ビアバー4選|地元の生と世界の一本

続いて、高松でクラフトビールを飲める場所を紹介します。醸造所直営のタップルームと、セレクト型のビアバーをバランスよく選びました。

店舗 場所 タップ数・品揃え 営業スタイル
リバーサイド351 松島町(醸造所併設) 3ブルワリーの樽生。ビアフライトあり 金16:00-20:00、土日祝12:00-20:00
OHLOY STORE 内町(三越から東へ約100m) 樽生8タップ+缶・瓶販売 タップルーム兼ボトルショップ兼コーヒースタンド
しろすずめ ビールルーム 多賀町(醸造所併設) 最大5種類 醸造所併設の直売スタイル
メゾン ドゥ ビエール 中心市街地(高松駅・片原町・瓦町から徒歩圏) 常時40種類以上、樽生9種 世界のビールと肉料理のビアバー

リバーサイド351|3ブルワリー合同の週末限定タップルーム

せとうちブルワリー、OHLOY BREWING、UDON BREWINGの3ブルワリーが合同で運営する、全国的にも珍しい形態のタップルームです。高松市松島町のせとうちブルワリー醸造所に併設され、営業は金曜16:00〜20:00、土日祝12:00〜20:00の週末限定。料金は種類を問わず一律で、Sサイズ(230ml)600円、プラカップ(350ml)700円、パイント(473ml)900円というわかりやすい設定です。4種類を少量ずつ試せるビアフライトも用意されており、食べ物の持ち込みも可能です。

編集部として特に面白いと感じるのは、この「合同タップルーム」という仕組みそのものです。小規模ブルワリーにとって直営店は造りたてを適正価格で届けられる貴重な販路ですが、単独で店を構えれば家賃も人件費も重くのしかかります。3ブランドで1つの蛇口を分け合えば、客は飲み比べを楽しめて、造り手は固定費を抑えられる。統計に映らない小さな造り手たちが生き残るための知恵が、この一軒に詰まっています。

OHLOY STORE|三越裏手のタップルーム&ボトルショップ

OHLOY BREWINGが直営する、高松市内町のタップルーム兼ボトルショップです。高松三越から東へ約100mという中心地にあり、樽生8タップに加えて缶・瓶ビールの小売り、さらにエスプレッソドリンクを出すコーヒースタンドまで兼ねています。昼はコーヒー、夕方からはビールと、時間帯で使い分けられるのが便利で、アーケード散策の休憩がてら立ち寄るのにちょうどよい一軒です。ここで気に入った銘柄を缶で買って帰れば、そのまま高松土産になります。

しろすずめ ビールルーム|造り手の顔が見える一杯

しろすずめの醸造所に併設されたビールルームでは、自社醸造のビールを含む最大5種類を楽しめます。醸造設備のすぐそばで飲む一杯は鮮度が別格で、タイミングが合えば造り手との会話も楽しめます。中心部の喧騒から少し離れた多賀町という立地も、じっくり飲みたい人にはむしろ好条件です。醸造所で飲む体験の魅力はブルワリー見学・体験の楽しみ方ガイドでも詳しく解説しています。

メゾン ドゥ ビエール|世界の樽生とリアルエールが揃う老舗ビアバー

地元ブルワリーの生を堪能したら、世界のビールへ視野を広げたくなるはず。高松駅・片原町駅・瓦町駅のいずれからも歩けるビアバー「メゾン ドゥ ビエール」は、世界各国から厳選したクラフトビールを常時40種類以上、樽生9種類とともに提供しています。イギリス伝統のリアルエールや、ベルギーのランビック・トラピストといった希少なスタイルまで揃うラインナップは、四国でも屈指の充実度。肉料理との相性を考えたフードも人気です。

なお、高松には瓦町の「タビ式」などクラフトビールを扱う飲食店がほかにもあります。個人経営の店は営業日時が変わりやすいため、訪問前にSNS等で最新情報を確認するのがおすすめです。

徒歩で巡る高松クラフトビール半日モデルコース

高松の強みは、主要スポットが徒歩圏に集まっていることです。週末の営業時間に合わせて、編集部が実際の位置関係から組み立てた半日コースを紹介します。

時間 スポット ポイント
12:00 リバーサイド351(松島町) 開店直後に入店。ビアフライトで3ブルワリーを一気に味見
14:30 OHLOY STORE(内町) 徒歩約20分。コーヒーで休憩しつつ、気に入った缶を土産に購入
16:00 商店街散策 アーケードでうどんの夕食や土産探し
18:00 メゾン ドゥ ビエール 世界の樽生とリアルエールで締め

土日祝であれば、リバーサイド351が12:00に開くため、昼から無理なく回遊できます。じっくり派は2日目にしろすずめ(多賀町)を加え、ことでんに乗って醸造所併設ビールルームを訪ねるのがおすすめです。ことでんの車窓と住宅街の中の醸造所という組み合わせは、観光地化されていない「日常の高松」を感じられる時間になります。

飲み比べの際は、同じIPAでもブルワリーごとにホップの使い方が異なる点に注目すると発見が増えます。

高松のクラフトビールに関するよくある質問

Q1. 高松にクラフトビールの醸造所はいくつありますか?

高松市内にはせとうちブルワリー(松島町)、しろすずめ(多賀町)などの醸造所があり、2026年6月にはOHLOY BREWINGの自社醸造所が牟礼町で始動しました。香川県全体ではマイクロブルワリーが8軒(CRAFT BEER LAB調べ、2023年11月時点)とされており、その後も新規参入が続いています。

Q2. 醸造所のタップルームは平日でも行けますか?

せとうちブルワリー併設のリバーサイド351は金曜16:00〜20:00、土日祝12:00〜20:00の週末限定営業です。平日は、中心市街地のOHLOY STORE(タップルーム兼ボトルショップ)やビアバーの利用が中心になります。営業日時は変わることがあるため、訪問前に各店の公式SNSで確認してください。

Q3. 高松駅から歩いて回れますか?

回れます。OHLOY STOREのある内町は高松駅から徒歩圏、メゾン ドゥ ビエールも高松駅・片原町駅・瓦町駅から歩ける立地です。松島町のリバーサイド351へは中心部から徒歩20〜30分程度で、ことでん(高松琴平電気鉄道)を使えばさらに短縮できます。

Q4. うどんビールとはどんなビールですか?

UDON BREWINGが手がける、うどんをコンセプトにしたクラフトビールです。リバーサイド351のタップに登場することがあり、「うどん県」香川ならではの話題性で人気を集めています。提供状況はタイミングによって変わるため、確実に飲みたい場合は事前にタップリストを確認しましょう。

Q5. お土産用の高松クラフトビールはどこで買えますか?

OHLOY STORE(内町)が缶・瓶の小売りを行っており、中心部で最も買いやすいスポットです。リバーサイド351やしろすずめでも自社ビールを購入できる場合があります。持ち帰りの際は保冷バッグを用意し、直射日光を避けて持ち運ぶと品質を保てます(クラフトビールは光と温度に敏感です)。

関連記事: 千葉のクラフトビール完全ガイド|ベイエリアから外房まで醸造所10選【2026年版】

まとめ|統計に映らない街の小さな醸造文化を歩いて味わう

高松のクラフトビールシーンをあらためて整理します。

  • 経済センサス上、香川県のビール産出事業所は1件のみ(従業者4人以上、2020年実績)。実際のシーンは統計に映らない小規模ブルワリー8軒前後が支えている
  • せとうちブルワリー(2年で180種類)、OHLOY BREWING(ファントム発・2026年6月自社醸造所始動)、しろすずめ(低温熟成)、UDON BREWING(うどんビール)と個性派が揃う
  • 3ブルワリー合同タップルーム「リバーサイド351」は週末限定。一律料金とビアフライトで飲み比べ入門に最適
  • 主要スポットは中心市街地の徒歩圏に集積し、半日で回遊できる

次の週末、まずは土曜の昼にリバーサイド351のビアフライトから始めてみてください。3つのブルワリーの個性が一度にわかり、高松のビールの現在地が見えてきます。旅の前にはクラフトビールの選び方入門で基礎を押さえておくと、飲み比べが何倍も面白くなるはずです。

参考情報

  • 総務省・経済産業省「令和3年経済センサス-活動調査」産業別統計表(e-Stat 統計表ID 0004003981、2020年実績)
  • CRAFT BEER LAB「香川県でクラフトビールを飲むなら【クラフトビール醸造所一覧】」(2023年11月時点の醸造所数)
  • KSB瀬戸内海放送「【ルポ】香川県に新たなクラフトビール醸造所」(OHLOY BREWING牟礼醸造所・2026年6月稼働開始)
  • SETOUCHI BEER公式サイト(せとうちブルワリー・高松市松島町)
  • OHLOY BREWING公式サイト・OHLOY ONLINE STORE(OHLOY STORE店舗情報)
  • しろすずめ公式サイト(高松市多賀町・ビールルーム情報)
  • りほのビール旅行記「【3ブルワリーの合同タップルーム】リバーサイド351」(営業時間・料金情報)
  • メゾン ドゥ ビエール公式サイト(品揃え・立地情報)



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