札幌のクラフトビール完全ガイド|ビール発祥の地で巡る醸造所とバー【2026年】

札幌のクラフトビール完全ガイド|ビール発祥の地で巡る醸造所とバー【2026年】 ビールの楽しみ方

最終更新: 2026-06-11

1876年、北海道開拓使が札幌に日本初の本格ビール醸造所「開拓使麦酒醸造所」を設立してから、2026年でちょうど150年。この間に札幌は日本屈指のビール文化都市へと成長し、全国800カ所を超えるクラフトビール醸造所の中でも、北海道には独自の進化を遂げたブルワリーが集まっています(2024年時点、データのじかん調べ)。

「札幌でクラフトビールを楽しみたいけど、どの店に行けばいいかわからない」「観光ついでに醸造所を巡ってみたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、札幌市内で訪れるべきクラフトビール醸造所とビアバーを、エリア別のモデルコースとあわせてご紹介します。まず札幌がビールの街になった歴史的背景を押さえ、次に目的別のおすすめスポット、最後に札幌グルメとのペアリング提案までお届けします。

札幌とビールの150年|開拓使から始まった醸造の歴史

札幌がビールの街と呼ばれる理由は、明治時代の開拓事業にまでさかのぼります。

年代 出来事
1876年(明治9年) 開拓使麦酒醸造所が札幌に開業。日本人の手による本格的なビール醸造がスタート
1877年(明治10年) 「札幌冷製麦酒」として一般販売を開始。明治天皇にも献上
1926年(大正15年) 上富良野でホップの契約栽培が始まる。大日本麦酒(サッポロビール前身)がホップ園を開設
1994年 酒税法改正で最低醸造量が2,000klから60klに引き下げ。全国にマイクロブルワリーが誕生
2014年 月と太陽BREWINGが札幌初の[ブリューパブ](https://brewhub.jp/beer-glossary/)(醸造所併設の飲食店)としてオープン
2023年 Streetlight Brewingが桑園エリアで操業開始

北海道は原料の大麦やホップの栽培に適した冷涼な気候と、低温発酵に欠かせない天然氷が豊富に手に入る土地です。上富良野町では2026年にホップ試験栽培100周年を迎え、現在も4軒のホップ農家がサッポロビールとの契約栽培を続けています(かみふらの十勝岳観光協会)。

こうした歴史的な「醸造の土壌」が、現代のクラフトビールシーンにも受け継がれています。サッポロファクトリー内の「BREWERY 1876」では、開拓使麦酒を再現したビールをその場で味わえるため、ビール好きなら一度は訪れておきたいスポットです。

BrewHub編集部が札幌を取材した際、あるブルワーが「札幌は大手ビールメーカーの存在が大きいからこそ、クラフトビールの作り手もレベルが高くなる」と語っていたのが印象的でした。大手とクラフトが共存する環境が、札幌のビール文化を底上げしています。

札幌市内のクラフトビール醸造所(ブルワリー)ガイド

札幌市内には自社醸造を行うブルワリーが複数あり、それぞれ異なるスタイルと哲学でビールを造っています。

醸造所名 エリア 創業年 特徴 タップ数
月と太陽BREWING 大通(工場は白石区) 2014年 北海道をクラフトビール王国にすることがコンセプト。600L×6基・300L×5基の醸造設備 常時10種類前後
Streetlight Brewing 桑園 2023年 札幌駅隣の桑園駅から徒歩約10分。10種類前後を自社醸造 約10種類
薄野地麦酒 すすきの 2000年代 すすきのエリアで長く愛される地元密着のブルワリー 5〜8種類
忽布古丹(ホップコタン)醸造 上富良野(道内連携) 近年 上富良野産ホップを使用した北海道テロワールビール 3〜6種類

月と太陽BREWINGは2021年に醸造設備の規模拡張のため白石区に工場を移転し、生産量を大幅に増やしました。「北海道をクラフトビール王国へ」というコンセプトのもと、定番のペールエールやIPAに加え、北海道産素材を使った季節限定ビールも人気です。大同生命札幌ビル(miredo)内の本店で、できたてのビールを味わえます。

Streetlight Brewingは2023年に醸造設備の操業を開始した比較的新しいブルワリーで、地元のビール好きの間で急速に注目を集めています。落ち着いた雰囲気のタップルーム(醸造所に隣接する試飲スペース)では、ブルワーと直接会話しながらビールを楽しめるのが醸造所併設ならではの魅力です。

北海道全体のブルワリー情報については、北海道クラフトビール醸造所おすすめガイドで詳しく紹介しています。

目的別おすすめクラフトビールスポット

札幌にはブルワリー直営店だけでなく、道内外のクラフトビールを幅広く扱うビアバーも充実しています。目的に合わせて選んでみてください。

初めてのクラフトビールなら

クラフトビール初心者には、スタッフが好みに合わせて銘柄を提案してくれる店がおすすめです。ヒニニツカは札幌駅北口から徒歩2分という好立地で、北海道産クラフトビールを専門に常時10種類を提供しています。「何を飲めばいいかわからない」という方でも、スタッフに相談すれば自分好みの一杯に出会えます。クラフトビールの選び方の基本を予習しておくと、より楽しめるでしょう。

飲み放題でたくさん試したいなら

店名 飲み放題プラン エリア
クラフトビア食堂 VOLTA 2,980円 / 90分 すすきの
クラフトビール100 月額5,980円(サブスクリプション) 大通周辺
ビアケラーサッポロ(BEER CELLAR SAPPORO) 時間制プランあり 大通

VOLTAの飲み放題は90分2,980円と手頃な価格帯で、道内外のクラフトビールを一度に試せるため、初訪問の方にも人気です。クラフトビール100は月額制サブスクリプションという珍しい形態で、何度でも通えるのが特徴です。

ブルワリー直営の味を楽しみたいなら

Beer Bar NORTH ISLANDは、江別市で創業20年を超える老舗ブルワリー「ノースアイランドビール」の直営店です。札幌市中心部のビル最上階にあり、定番5種類を含む常時7〜8種類の自社醸造ビールを提供。ビルの高層階からの眺望も楽しめます。

お土産にクラフトビールを持ち帰りたいなら

Tap Room BEER KOTANでは、道内のクラフトビールをボトルや缶で購入できます。旅行の思い出として持ち帰りたい方にぴったりです。クラフトビールの缶商品は日持ちしやすく、お土産にも向いています。

エリア別モデルコース|札幌ビアバーはしご酒プラン

せっかく札幌に来たなら、複数の店舗をめぐる「はしご酒」がおすすめです。以下のモデルコースを参考にしてみてください。

コース1: 札幌駅〜大通エリア(徒歩で回れるコース)

時間 スポット ポイント
15:00 ヒニニツカ(札幌駅北口徒歩2分) まずは北海道産ビール専門店で1〜2杯。スタッフに好みを伝えて
16:30 月と太陽BREWING 本店(大通エリア) 醸造所直営の自家醸造ビールを堪能。季節限定もチェック
18:00 BEER CELLAR SAPPORO(大通エリア) 国内外のクラフトビールを幅広くラインナップ。食事も充実

札幌駅から大通までは地下歩行空間で直結しているため、天候を気にせず移動できます。特に6月は梅雨がない北海道とはいえ、蝦夷梅雨と呼ばれる肌寒い日もあるので、地下移動は重宝します。

コース2: すすきのエリア集中コース

時間 スポット ポイント
17:00 クラフトビア食堂 VOLTA(すすきの) 飲み放題2,980円/90分で多彩なビールを試す
19:00 薄野地麦酒 地元密着の醸造所で札幌らしい一杯を
20:30 THE CRAFT 締めの一杯に、こだわりのタップビールを

すすきのエリアは各店舗が徒歩圏内に集まっているため、夜の時間帯のはしご酒に最適です。

コース3: ブルワリー巡り(半日コース)

時間 スポット ポイント
10:00 サッポロファクトリー「BREWERY 1876」 開拓使麦酒の歴史を学びながら、再現ビールを味わう
12:00 Streetlight Brewing(桑園エリア) ランチタイムに醸造所タップルームで自社醸造ビール
14:30 Beer Bar NORTH ISLAND(中心部) 江別発の老舗ブルワリー直営店で締め

このコースは観光も兼ねたい方におすすめです。サッポロファクトリーでは開拓使時代のレンガ造りの建物も見学できます。

札幌グルメとクラフトビールのペアリング

札幌ならではの食材とクラフトビールのペアリングは、この街でビールを飲む最大の楽しみのひとつです。6月は旬の枝豆が出回り始める時期でもあり、ビールとの相性は抜群です(気象庁 平年値データ)。

ビアスタイル 相性のよい札幌グルメ おすすめの理由
IPA(苦味が強い) ジンギスカン ラム肉の脂をIPAのホップの苦味がすっきりと切る。味の強さ同士がぶつかり合わず調和する
ヴァイツェン(フルーティ) スープカレー ヴァイツェンのバナナ香とスパイスの風味が意外なほどマッチ。辛さをまろやかに
ペールエール(バランス型) 海鮮丼・旬の刺身 麦の甘みと柑橘系のホップが、北海道の新鮮な魚介を引き立てる
スタウト(ロースト感) ラーメン(味噌) 焙煎麦芽のコクが味噌の発酵風味と共鳴。濃厚な味わい同士の組み合わせ
ピルスナー(すっきり) 枝豆・とうもろこし 軽快な飲み口で北海道の夏の味覚をシンプルに引き立てる。6月〜8月が旬

IPAのペアリングについてさらに詳しく知りたい方は、IPAに合う料理の完全ガイドもあわせてご覧ください。また、各ビアスタイルの特徴や違いについてはビアスタイル一覧で解説しています。

実際に札幌のビアバーでペアリングを試してみると、お店のスタッフがその日の限定ビールに合う料理を教えてくれることも多いです。「今日のおすすめは何ですか?」と気軽に聞いてみることで、思わぬ組み合わせの発見があります。

2026年の注目イベント|Sapporo Craft Beer Forestほか

札幌のクラフトビールシーンは、夏を中心に大型イベントが目白押しです。

イベント名 開催日程 会場 特徴
Sapporo Craft Beer Forest 2026 2026年7月11日(土)〜12日(日) さっぽろばんけいスキー場(札幌市中央区盤渓) 森の中でクラフトビールを楽しむ北海道最大級のビアフェス。土曜12:00〜18:00、日曜11:00〜17:00
大通ビアガーデン(例年) 7月下旬〜8月中旬 大通公園 札幌の夏の風物詩。大手〜クラフトまで多彩なビールが集結

Sapporo Craft Beer Forestは、緑豊かなばんけいスキー場の斜面で開放的にクラフトビールを楽しめるイベントとして人気が高く、道内外のブルワリーが多数出店します。2026年のチケットは「土日両日参加チケット5(ビール券5枚)」が5,000円、「土日両日参加チケット11(ビール券11枚)」が8,500円で、各500枚限定です(2026年6月時点、公式サイト情報)。人気のチケットは早めに売り切れるため、公式サイトでの事前確認をおすすめします。

夏のクラフトビールの選び方については、夏におすすめのクラフトビール特集も参考にしてください。

クラフトビール 札幌に関するよくある質問

Q1: 札幌駅周辺で1人でも入りやすいクラフトビールバーはどこですか?

ヒニニツカがおすすめです。札幌駅北口から徒歩2分とアクセスがよく、カウンター席があるため1人でも気兼ねなく利用できます。北海道産クラフトビールを専門に扱っており、スタッフが好みに合わせた銘柄を提案してくれます。

Q2: クラフトビール初心者はまず何を注文すればいいですか?

ペールエールかヴァイツェンから試すのがおすすめです。ペールエールは苦味と甘みのバランスがよく飲みやすいスタイルですし、ヴァイツェンはフルーティな香りで普段ビールが苦手な方にも好評です。[クラフトビール初心者向けの選び方ガイド](https://brewhub.jp/beer/craft-beer-beginners-guide/)で詳しく解説しています。

Q3: 札幌でクラフトビールをお土産として買える場所はありますか?

Tap Room BEER KOTANやヒニニツカでは、缶や瓶のクラフトビールを購入できます。また、月と太陽BREWINGは公式オンラインショップやふるさと納税(ふるさとチョイス)でも購入可能です。持ち帰り用であれば、日持ちする缶タイプを選ぶとよいでしょう。

Q4: 札幌のクラフトビール1杯の値段はどのくらいですか?

パイントサイズ(約470ml)で770〜1,628円程度が目安です(2026年6月時点、各店舗公式情報)。ハーフパイントであれば500〜800円程度から楽しめます。飲み放題プランがある店では、90分2,980円前後で複数のスタイルを試せるため、初めての方にはコストパフォーマンスがよい選択肢です。

Q5: 冬の札幌でもクラフトビールは楽しめますか?

もちろん楽しめます。冬はスタウトやポーターといった濃厚で温まるスタイルのビールが各醸造所の季節限定として登場します。暖かい店内でゆっくりとビールを味わうのも、冬の札幌ならではの楽しみ方です。

Q6: 車で来た場合、ビールの試飲はできますか?

飲酒運転は法律で禁止されています。車で訪問する場合は、ノンアルコールビールを提供している店舗もありますので事前に確認してください。公共交通機関の利用をおすすめします。札幌市内は地下鉄・市電・バスが充実しているため、車がなくても各エリアへのアクセスは便利です。

関連記事: クラフトビールの値段相場は?高い理由5つと安く楽しむコツ

関連記事: クラフトビールと生ビールの違いとは?定義・製法・味わいを徹底比較【2026年版】

関連記事: 名古屋のクラフトビールおすすめガイド|エリア別人気店と名古屋めしペアリング

まとめ:クラフトビール札幌を満喫するために

札幌は1876年の開拓使麦酒醸造所から150年の歴史を持つ、日本のビール発祥の地です。その歴史的な醸造文化を土台に、月と太陽BREWINGやStreetlight Brewingといった個性豊かなブルワリーが次々と誕生しています。

札幌でクラフトビールを楽しむポイントをまとめます。

  • 初めてなら、ヒニニツカや月と太陽BREWING本店など、スタッフにおすすめを聞ける店から始める
  • はしご酒をするなら、札幌駅〜大通エリアまたはすすきのエリアに絞ると効率よく回れる
  • ジンギスカン×IPA、スープカレー×ヴァイツェンなど、札幌グルメとのペアリングが最大の魅力
  • 2026年7月のSapporo Craft Beer Forestは見逃せないイベント。チケットは早めに確認を
  • お土産には缶タイプのクラフトビールが日持ちしておすすめ

まずは気になる1軒を選んで、札幌のクラフトビールの世界に足を踏み入れてみてください。クラフトビール業界全体の市場動向や醸造所数の推移については、クラフトビール業界の統計まとめで定期更新中です。

参考情報

  • サッポロビール「歴史・沿革」(https://www.sapporobeer.jp/company/history/1876.html)— 開拓使麦酒醸造所の設立年・経緯の検証に使用
  • かみふらの十勝岳観光協会「ホップと上富良野」(https://www.kamifurano.jp/nature/hop_about/)— 上富良野のホップ栽培史・農家数の検証に使用
  • キリン歴史ミュージアム「1994年酒税法改正」(https://museum.kirinholdings.com/history/column/bd099_1994.html)— 酒税法改正と最低醸造量の検証に使用
  • 月と太陽BREWING 公式サイト(https://moonsunbrewing.jp/)— 創業年・醸造設備・コンセプトの検証に使用
  • Sapporo Craft Beer Forest 公式サイト(https://www.sapporo-craft-beer-forest.com/)— 2026年イベント日程・チケット情報の検証に使用
  • データのじかん「ビールの多様化が止まらない!醸造所のデータからみるクラフトビール市場の成長」(https://data.wingarc.com/beer-brewery-11454)— 全国のクラフトビール醸造所数の検証に使用



コメント

タイトルとURLをコピーしました