【2026年最新】全国クラフトビール醸造所一覧|地域別おすすめブルワリーガイド

【2026年最新】全国クラフトビール醸造所一覧|地域別おすすめブルワリーガイド ブルワリー

「日本全国にクラフトビールの醸造所はどれくらいあるの?」「旅行先で立ち寄れるブルワリーを探したい」──そんな疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。1994年の酒税法改正をきっかけに誕生した日本のクラフトビール文化は、30年を超えた今なお成長を続け、全国の醸造所数は950ヵ所を超える規模にまで拡大しています。しかし情報が各サイトに分散しているため、「自分の住む地域や旅行先にどんなブルワリーがあるのか」を一覧で把握するのは意外と難しいものです。

本記事では、2026年3月時点の最新データをもとに、日本のクラフトビール醸造所を地域別に整理した一覧ガイドをお届けします。各地域の代表的なブルワリーの特徴や代表銘柄に加え、編集部が選ぶ注目醸造所10選、トレンド分析、さらには「醸造所で働く」というキャリアの視点まで網羅しました。ブルワリー巡りの計画はもちろん、クラフトビール業界への理解を深める一助としてご活用ください。

  1. 日本のクラフトビール醸造所は950ヵ所超 ── 業界の現在地
    1. 醸造所数の推移
    2. 市場規模
    3. 成長の背景
  2. 【地域別】全国クラフトビール醸造所ガイド
    1. 北海道
    2. 東北
    3. 関東
    4. 中部・北陸
    5. 関西
    6. 中国・四国
    7. 九州・沖縄
  3. 編集部が選ぶ注目のクラフトビール醸造所10選
    1. 1. 常陸ネストビール(木内酒造)── 茨城県那珂市
    2. 2. ヤッホーブルーイング ── 長野県佐久市
    3. 3. WEST COAST BREWING ── 静岡県静岡市
    4. 4. 伊勢角屋麦酒 ── 三重県伊勢市
    5. 5. うちゅうブルーイング ── 山梨県北杜市
    6. 6. ベアレン醸造所 ── 岩手県盛岡市
    7. 7. 志賀高原ビール(玉村本店)── 長野県山ノ内町
    8. 8. 箕面ビール ── 大阪府箕面市
    9. 9. COEDO(協同商事)── 埼玉県東松山市
    10. 10. 京都醸造 ── 京都府京都市
  4. クラフトビール醸造所のトレンド分析 ── 新規開業が多い地域は?
    1. 新規開業の推移
    2. 注目のトレンド
    3. 新規開業が活発な地域
  5. 【独自】醸造所で働く ── ブルワーのキャリアパスと求人事情
    1. ブルワーの仕事内容
    2. 給与・年収の実態
    3. キャリアパスの例
    4. 編集部の所感
  6. 醸造所見学の楽しみ方ガイド
    1. 見学の基本的な流れ
    2. 見学におすすめの醸造所
    3. 見学をより楽しむためのポイント
  7. よくある質問
    1. Q1. 日本にクラフトビールの醸造所は何ヵ所ありますか?
    2. Q2. クラフトビールと地ビールの違いは何ですか?
    3. Q3. 醸造所見学は予約なしでも行けますか?
    4. Q4. ブルワー(醸造家)になるにはどうすればよいですか?
    5. Q5. クラフトビール醸造所を開業するにはいくらかかりますか?
    6. Q6. 醸造所が多い都道府県はどこですか?
    7. Q7. 2026年の酒税法改正はクラフトビールにどう影響しますか?
  8. まとめ
  9. 参考情報

日本のクラフトビール醸造所は950ヵ所超 ── 業界の現在地

醸造所数の推移

日本のクラフトビール醸造所は、2026年3月時点で全国約950〜970ヵ所にまで増加しています。これは2019年度の約422社と比較すると2倍以上の増加であり、2022年度調査時の655社からも大幅に数を伸ばしています。

年度 醸造所数(概算) 前年比の傾向
2019年 約422社 ──
2022年 約655社 増加基調
2024年 800社以上 10年前の約3倍
2026年(3月時点) 約950〜970ヵ所 継続的に増加

2023年だけでも年間90ヵ所以上の新規醸造所がオープンしており(上半期41ヵ所、下半期51ヵ所)、クラフトビール市場は引き続き活況を呈しています。

市場規模

IMARCグループのレポートによると、日本のクラフトビール市場規模は2024年に約80億米ドル(約1兆2,000億円相当)に達したとされています。2025年から2033年にかけて年平均成長率(CAGR)12.61%で成長し、2033年には234億米ドルに達すると予測されています。

また、2026年に予定されている酒税法改正では、発泡酒・新ジャンルとビールの税率一本化が行われる予定で、クラフトビールにとって追い風になるとの見方もあります。

成長の背景

醸造所数が急速に増えた背景には、以下の要因があります。

  • **消費者の嗜好変化**: 画一的な味から多様なビールスタイルを求める層が拡大
  • **地方創生との親和性**: 地域の農産物や水資源を活かしたビール造りが注目
  • **ブリューパブ形態の浸透**: 小規模な醸造設備でも開業できるモデルが増加
  • **SNS・ECの発達**: 小規模醸造所でも全国にファンを獲得できる環境が整備

ビール醸造の基本的な工程については、ビール醸造工程の詳細ガイドも併せてご覧ください。

【地域別】全国クラフトビール醸造所ガイド

ここからは、日本全国のクラフトビール醸造所を地域別にご紹介します。すべてを網羅するのは難しいため、各地域の代表的・注目度の高いブルワリーを厳選してまとめました。

北海道

北海道は全国でも有数のブルワリー集積地で、2026年3月時点で約40ヵ所以上の醸造所が稼働しています。広大な土地と良質な水、そして道産の大麦やホップを活かしたビール造りが特徴です。

醸造所名 所在地 代表銘柄 特徴 見学可否
網走ビール 網走市 流氷ドラフト オホーツク海の流氷を仕込み水に使用。鮮やかなブルーの外観が話題 可(要予約)
忽布古丹醸造 上富良野町 Nonno IPA 北海道産ホップの栽培から醸造まで一貫して手がける 可(タップルーム併設)
大雪地ビール 旭川市 大雪ピルスナー 大雪山系の雪解け水を使用した本格派
羊蹄山麓ビール(ルピシアブルワリー) ニセコ町 羊蹄山麓ビール 名水百選の水を使い、ニセコの自然を表現 可(レストラン併設)
月と太陽BREWING 札幌市 ペールエール 札幌中心部のブリューパブ。フレッシュなビールをその場で タップルーム
滝川クラフトビール工房 滝川市 空知ラガー 空知地方の食材とのペアリングを意識した醸造 要確認

東北

東北地方は、日本酒文化の土壌を活かした個性的なブルワリーが点在しています。特に岩手県のベアレン醸造所は出荷量で全国トップクラスの実力を持ちます。

醸造所名 所在地 代表銘柄 特徴 見学可否
ベアレン醸造所 岩手県盛岡市 ベアレン クラシック ドイツの伝統製法を継承。出荷量全国上位 可(要予約)
秋田あくらビール 秋田県秋田市 あくらビール 元造り酒屋が手がける。直営レストラン併設 タップルーム
穀町ビール 宮城県仙台市 穀町エール10 インターナショナル・ビアカップ金賞受賞歴あり タップルーム
松島ブリューイングカンパニー 宮城県松島町 松島ビール 宮城県第1号の地ビール。1997年創業のドイツ仕込み
グレートデーン ブリューイング 宮城県仙台市(秋保) 各種エール 米国ウィスコンシン州発。2024年1月に日本初進出 レストラン併設
うちゅうブルーイング 山梨県北杜市 宇宙IPA ホップを惜しみなく使うNE IPA(東海岸スタイル)で全国的人気 限定オープン

関東

東京を中心に関東圏はブルワリー数が最も多い地域のひとつです。ブリューパブ形態の小規模醸造所から、大規模な生産設備を持つブルワリーまで多彩な顔ぶれが揃います。

醸造所名 所在地 代表銘柄 特徴 見学可否
常陸ネストビール(木内酒造) 茨城県那珂市 ホワイトエール 世界50ヵ国以上に輸出。国際ビールコンペ多数受賞 可(醸造体験あり)
T.Y.HARBOR BREWERY 東京都品川区 ペールエール 天王洲の運河沿い醸造所。見学ツアー+テイスティング 可(要予約)
石川酒造(多摩の恵) 東京都福生市 多摩の恵 文久3年創業の酒蔵が手がけるクラフトビール 可(敷地見学)
COEDO(協同商事) 埼玉県東松山市 COEDO 紅赤 川越の薩摩芋を使った「紅赤」が世界的に評価 要確認
ブリマーブルーイング 神奈川県川崎市 ゴールデンエール アメリカ人ブルワーが日本で開いた本格派 不可(イベント時のみ)
ISHII BREWING 栃木県宇都宮市 各種エール 宇都宮の新進ブルワリー。地元食材との連携 タップルーム

東京都内のブルワリーについてさらに詳しく知りたい方は、東京のクラフトビールブルワリー特集をご覧ください。

中部・北陸

長野県・静岡県を中心に、中部地方はクラフトビールの先進地域です。自然豊かな環境と良質な水源を活かした醸造所が多く、近年は新規参入も活発です。

醸造所名 所在地 代表銘柄 特徴 見学可否
ヤッホーブルーイング 長野県佐久市 よなよなエール 国内クラフトビール売上トップクラス。醸造所見学ツアーが人気 可(要予約)
志賀高原ビール(玉村本店) 長野県山ノ内町 IPA 自社栽培ホップ使用。酒蔵が手がける個性派 可(タップルーム併設)
WEST COAST BREWING 静岡県静岡市 各種IPA 2019年用宗漁港に誕生。West Coast IPAの名手 タップルーム
軽井沢ブルワリー 長野県佐久市 THE 軽井沢ビール クラフトビール工場として最大規模の設備 可(予約制・試飲あり)
オラホビール(信州東御市振興公社) 長野県東御市 アンバーエール 出荷量全国上位。長野県産ホップ使用
エチゴビール 新潟県新潟市 エチゴビール ピルスナー 日本初の地ビール醸造所(1994年)。出荷量全国1位 要確認
城端麦酒 富山県南砺市 曳山エール 北陸の祭り文化をテーマにしたビール造り 要確認

関西

関西地方は、大阪・京都・兵庫を中心にブルワリーの数が増加しています。清酒醸造の技術を応用した醸造所や、ユニークなコンセプトを持つブリューパブが特徴的です。

醸造所名 所在地 代表銘柄 特徴 見学可否
箕面ビール 大阪府箕面市 スタウト 世界的なビアコンペで多数受賞。大阪を代表するブルワリー 不可(直売所あり)
京都醸造 京都府京都市 一期一会 ベルギー・アメリカ・日本の融合がテーマ タップルーム
ONE’s BREWERY 大阪府大阪市 各種エール 大阪市内のブリューパブ タップルーム
六甲ビール 兵庫県神戸市 六甲ピルスナー 六甲山の天然水を使用。神戸港エリアに直営店 要確認
あわぢビール 兵庫県淡路市 淡路米仕込みピルスナー 淡路島産の素材を活かした地域密着型
奈良醸造 奈良県奈良市 各種エール 元IT企業勤務のブルワーが設立。実験的なスタイルに挑戦 タップルーム

中国・四国

中国・四国地方は醸造所数こそ他地域に比べて少ないものの、地域に根ざした個性的なブルワリーが存在します。瀬戸内海の温暖な気候と柑橘類を活かしたビールが注目されています。

醸造所名 所在地 代表銘柄 特徴 見学可否
宮島ビール 広島県廿日市市 宮島ヴァイツェン 世界遺産・宮島エリアで醸造。観光客にも人気 タップルーム
独歩ビール(宮下酒造) 岡山県岡山市 独歩ピルスナー 日本酒蔵が手がける。米を使ったビールも 可(酒蔵見学と合わせて)
梅錦ビール 愛媛県四国中央市 梅錦ピルスナー 老舗酒造メーカーが醸すクラフトビール 要確認
まんまるの里 高知県四万十市 四万十エール 四万十川の清流を仕込み水に使用 要確認
大山Gビール 鳥取県伯耆町 ヴァイツェン 大山の天然水を使用。国際ビールコンペ受賞多数 可(ガンバリウス併設)

九州・沖縄

九州は熊本・福岡を中心に醸造所が増えており、沖縄ではリゾート地ならではのブルワリーが独自の存在感を放っています。南国の素材を使ったフルーティーなビールが多いのも特徴です。

醸造所名 所在地 代表銘柄 特徴 見学可否
チャタンハーバー ブルワリー 沖縄県北谷町 各種エール 海沿いの複合型ブルワリーレストラン レストラン併設
浮島ブルーイング 沖縄県那覇市 浮島エール 琉球文化をテーマに歴史講座も開催 タップルーム
ウォルフブロイ 沖縄県那覇市(首里) ジャーマンラガー 首里でドイツ人ブルワーが造る本格派 タップルーム
福岡クラフト 福岡県福岡市 各種IPA 福岡市中心部のブリューパブ。地元食材コラボ タップルーム
霧島ビール 鹿児島県霧島市 霧島高原ビール 霧島連山の湧き水を使用
宮古島マイクロブルワリー 沖縄県宮古島市 宮古島エール 夫婦二人三脚で営む小さな醸造所。パブ併設 タップルーム

編集部が選ぶ注目のクラフトビール醸造所10選

BrewHub編集部が、ビールの品質・独自性・注目度・受賞歴などを総合的に評価し、2026年に特に注目すべきクラフトビール醸造所を10ヵ所厳選しました。

1. 常陸ネストビール(木内酒造)── 茨城県那珂市

1823年創業の酒蔵が手がける、日本を代表するクラフトビールブランドです。「ホワイトエール」をはじめ、世界50ヵ国以上に輸出しており、国際ビールコンペティションでの受賞歴は数知れません。醸造体験ツアーでは、自分だけのオリジナルビールを仕込む体験ができる点も魅力です。

2. ヤッホーブルーイング ── 長野県佐久市

「よなよなエール」でおなじみの、国内クラフトビール売上トップクラスのブルワリーです。「大人の醸造所見学ツアー」ではタンクから出したてのビールが試飲でき、毎回予約が殺到する人気プログラムとなっています。ビール文化の裾野を広げた功績は業界随一です。

3. WEST COAST BREWING ── 静岡県静岡市

2019年、静岡市の用宗漁港にオープンしたブリューパブです。その名の通り、ウエストコーストスタイルのIPAを中心に、ホップの香りと苦味を最大限に引き出したビールが国内外で高い評価を得ています。漁港という立地のユニークさも含め、クラフトビールファンの「聖地」のひとつとなりました。

4. 伊勢角屋麦酒 ── 三重県伊勢市

江戸時代から続く餅屋「二軒茶屋餅角屋」をルーツに持つ歴史あるブルワリーです。出荷量では全国2位(2025年1〜8月実績で1,077kL)を誇り、伝統と革新を融合させたビール造りが特徴です。インターナショナル・ビアカップなどの世界大会でも常連の実力派です。

5. うちゅうブルーイング ── 山梨県北杜市

New England IPA(ヘイジーIPA)のスタイルで一躍有名になったブルワリーです。ホップを惜しみなく使用し、トロピカルフルーツのような華やかな香りが特徴です。缶のリリースのたびにSNSで話題になり、入手困難な銘柄も多く、日本のクラフトビールシーンを牽引する存在です。

6. ベアレン醸造所 ── 岩手県盛岡市

ドイツから100年以上前の醸造設備を取り寄せ、伝統的な製法にこだわるブルワリーです。出荷量は全国3位(2025年1〜8月実績で561kL)と東北随一の規模を持ちます。「菜園マイクロブルワリー」ではここでしか飲めない限定醸造ビールも楽しめます。

7. 志賀高原ビール(玉村本店)── 長野県山ノ内町

江戸時代から続く酒蔵が手がけるブルワリーで、自社農場で栽培したホップを使用している点が大きな特徴です。「Harvest Brew」シリーズは、その年の収穫ホップで仕込む季節限定品として毎年話題を呼びます。

8. 箕面ビール ── 大阪府箕面市

大阪を代表するクラフトビールブランドとして、世界的なビアコンペティションで数多くの受賞歴を持ちます。特に「スタウト」はワールド・ビア・アワードで高い評価を受けており、関西のクラフトビール文化を牽引してきた存在です。

9. COEDO(協同商事)── 埼玉県東松山市

川越の特産品であるサツマイモを使った「紅赤(Beniaka)」が世界的に注目を集めたブルワリーです。日本の農産物とビールの融合という独自のテーマを持ち、すべてのビールに「和」のストーリーが込められています。

10. 京都醸造 ── 京都府京都市

カナダ人、ウェールズ人、アメリカ人の3人が京都で立ち上げた国際色豊かなブルワリーです。「ベルギー×アメリカ×日本」の融合をテーマに、既存のビアスタイルに縛られない自由なビール造りが特徴です。定番の「一期一会」は京都土産としても人気があります。

クラフトビール醸造所のトレンド分析 ── 新規開業が多い地域は?

新規開業の推移

日本のクラフトビール醸造所の新規開業ペースは、近年加速しています。2022年度には年間138ヵ所という過去最多の新規開業を記録しました。2023年も上半期41ヵ所、下半期51ヵ所と合計約92ヵ所が新たにオープンしており、年間80〜100ヵ所以上の新規開業が続いています。

注目のトレンド

2025〜2026年のクラフトビール業界では、以下のトレンドが顕著です。

ビアスタイルの多様化

IPA(特にヘイジーIPA)が引き続き最も人気のあるスタイルです。Untappdなどのデータによると、IPAは過去5年間を通じて検索量1位を維持しています。加えて、サワーエールやフルーツビールなど、ビール初心者にも親しみやすいスタイルの人気が上昇しています。

地産地消ビールの台頭

各地域の農産物や天然水を活かした「テロワールビール」が注目されています。北海道産ホップを使ったラガー、九州の柑橘類を加えたエール、沖縄の素材を使ったフルーティーなビールなど、「その土地でしか造れないビール」の価値が高まっています。

ノンアルコール・低アルコールクラフトビール

健康志向の高まりから、ノンアルコールのクラフトビールを手がける醸造所が増加しています。「味を犠牲にしない」ノンアルコールビールの開発が進み、新たな市場を開拓しています。

サステナビリティへの取り組み

廃パンや余剰農産物を原料にした「サーキュラービール」の製造や、再生可能エネルギー100%の醸造所を目指す動きも広がっています。環境意識の高い消費者層を中心に支持を集めています。

2026年酒税法改正の影響

2026年10月に予定されている酒税法改正で、ビール・発泡酒・新ジャンルの税率が一本化されます。これにより、相対的にクラフトビールの価格競争力が高まるとの期待があり、新規参入の追い風になると見られています。

新規開業が活発な地域

新規開業は全国的に広がっていますが、特に以下の地域で活発な動きが見られます。

  • **東京都・神奈川県**: ブリューパブ形態の小規模醸造所が都市部に続々とオープン
  • **長野県・静岡県**: 良質な水源と観光資源を背景に中規模ブルワリーが増加
  • **北海道**: 道産素材(ホップ・大麦)を活かした醸造所が新規参入
  • **沖縄県**: リゾート観光との組み合わせで個性的なブルワリーが増加

醸造所の開業を検討されている方は、ブルワリー開業費用の詳細ガイドも参考にしてください。初期投資の目安や必要な免許について詳しく解説しています。

【独自】醸造所で働く ── ブルワーのキャリアパスと求人事情

クラフトビール醸造所の増加に伴い、「ブルワー(醸造家)として働きたい」という志望者も増えています。ここでは、他のメディアではあまり取り上げられないブルワーの仕事内容やキャリアパス、給与事情について、業界の実態をお伝えします。

ブルワーの仕事内容

ブルワーの仕事は「ビールを造る」だけではありません。以下のような業務が日常的に発生します。

  • **醸造業務**: 仕込み(マッシング、煮沸)、発酵管理、ろ過、充填
  • **品質管理**: 比重測定、味覚・官能検査、微生物検査
  • **設備管理**: 醸造タンクや配管の洗浄(CIP)、メンテナンス
  • **原料管理**: モルト・ホップ・酵母の発注と在庫管理
  • **レシピ開発**: 新しいビアスタイルの試作、季節限定品の企画
  • **接客・販売**: ブリューパブでの接客、イベント出店、EC対応

小規模醸造所では一人のブルワーがこれらの業務をすべてこなすことも珍しくなく、体力とマルチタスク能力が求められます。

給与・年収の実態

ブルワーの給与は、一般的な製造業と比較するとやや低い傾向にあります。

年代 平均年収(目安) 備考
20代(未経験〜3年目) 250万〜300万円 月給18万〜22万円程度
30代(中堅ブルワー) 300万〜380万円 醸造責任者候補
40代(ヘッドブルワー) 350万〜450万円 醸造責任者・管理職
50代以上 350万〜500万円 経営層を兼ねる場合はそれ以上

※ 2026年3月時点の求人情報および業界調査に基づく目安です。企業規模や地域により大きく異なります。

求人サイトに掲載されている具体的な例としては、月給20万〜27万円(年収250万〜360万円)から、醸造責任者クラスで月給30万〜35万円(年収360万〜420万円)まで幅があります。

キャリアパスの例

ブルワーのキャリアには、いくつかの代表的なルートがあります。

ルート1: 未経験からの転職

飲食業や異業種からの転職者が多く、経験・学歴不問の求人も存在します。タップルームのスタッフからスタートし、醸造補助を経てブルワーになるケースが一般的です。

ルート2: 海外修行

ドイツやアメリカのブルワリーで修行した後に帰国して醸造所を立ち上げる、あるいは国内ブルワリーのヘッドブルワーとして迎えられるケースもあります。特に地ビールメーカーでは、海外での経験を持つブルワーが多い傾向にあります。

ルート3: 醸造スクール経由

近年は国内でもビール醸造を学べるスクールが登場しており、体系的に知識を身につけてから就職するルートも確立されつつあります。

ルート4: 独立開業

経験を積んだブルワーが自身のブルワリーを立ち上げるケースも増えています。マイクロブルワリーであれば初期投資を比較的抑えられることから、独立のハードルは徐々に下がっています。

編集部の所感

BrewHub編集部がブルワリーの取材を重ねる中で感じるのは、給与面だけを見れば決して高くない一方で、「自分の造ったビールを飲んだ人が笑顔になる」という仕事のやりがいに強い魅力を感じてこの世界に入る方が多いということです。特に近年は、IT企業や金融機関からの転職組が増えており、セカンドキャリアとしてブルワーを選ぶ人が目立ちます。

また、醸造所の増加に伴い、求人数も確実に増えています。ただし、1醸造所あたりの採用数は1〜2名程度と少ないため、競争率は依然として高い状況です。業界への熱意とともに、醸造の基礎知識や体力面のアピールが重要になるでしょう。

醸造所見学の楽しみ方ガイド

クラフトビール醸造所の多くでは、一般向けの見学ツアーや試飲プログラムを実施しています。ビールがどのように造られるかを間近で見られる醸造所見学は、クラフトビールをより深く楽しむための絶好の機会です。

見学の基本的な流れ

一般的な醸造所見学ツアーは、以下のような流れで進みます。

1. 受付・オリエンテーション: 醸造所の歴史やコンセプトの説明

2. 醸造エリアの見学: 仕込み釜・発酵タンク・ろ過設備などの見学

3. 原料の説明: 麦芽・ホップ・酵母の実物を見ながら解説

4. 試飲タイム: 出来たてのビールを数種類テイスティング

5. ショップ・タップルーム: 限定ビールやグッズの購入

所要時間は60分〜90分程度が一般的で、参加費は無料〜2,000円程度です。

見学におすすめの醸造所

醸造所名 エリア 見学の特徴 予約 参考料金
ヤッホーブルーイング 長野県佐久市 タンクからの直出しビール試飲。大人向けツアー 要予約(公式サイト) 有料
常陸ネストビール 茨城県那珂市 醸造体験ツアーで自分だけのビールを仕込める 要予約 有料
軽井沢ブルワリー 長野県佐久市 最新鋭設備を持つ大規模工場。サックス型サーバーで試飲 要予約(専用サイト) 無料〜
T.Y.HARBOR BREWERY 東京都品川区 6種飲み比べ+テイスティングセミナー 要予約 有料
独歩ビール(宮下酒造) 岡山県岡山市 日本酒蔵とビール醸造所の両方を見学可能 要予約 有料
大山Gビール 鳥取県伯耆町 併設レストラン「ガンバリウス」で出来たてビールと食事 予約推奨 無料(試飲は別途)

見学をより楽しむためのポイント

  • **事前予約は必須**: 人気の醸造所は予約がすぐに埋まるため、1〜2ヶ月前に予約するのがおすすめです
  • **公共交通機関を利用**: 試飲を楽しむために車での来場は避けましょう
  • **質問を用意しておく**: ブルワーに直接質問できる機会は貴重です。使用しているホップの種類や醸造のこだわりなど、聞きたいことをリストアップしておきましょう
  • **限定ビールをチェック**: 見学者限定のビールやグッズが販売されていることもあります
  • **動きやすい服装で**: 醸造エリアは階段や段差がある場合が多く、歩きやすい靴が必要です

よくある質問

Q1. 日本にクラフトビールの醸造所は何ヵ所ありますか?

2026年3月時点で、日本全国のクラフトビール醸造所は約950〜970ヵ所と推計されています。2019年の約422社から倍以上に増加しており、毎年80〜100ヵ所以上の新規開業が続いています。

Q2. クラフトビールと地ビールの違いは何ですか?

法的な厳密な定義はありませんが、一般的に「地ビール」は1994年の酒税法改正以降に登場した地域密着型のビールを指し、「クラフトビール」はより広く、職人が少量生産で手間をかけて造る品質重視のビールを指します。近年では「地ビール」よりも「クラフトビール」の呼称が主流になっています。

Q3. 醸造所見学は予約なしでも行けますか?

多くの醸造所では事前予約が必要です。特に人気のあるヤッホーブルーイングや常陸ネストビールなどの見学ツアーは、数週間前から予約が埋まることも珍しくありません。ただし、タップルーム(併設の飲食スペース)は予約不要で利用できる場合が多いです。

Q4. ブルワー(醸造家)になるにはどうすればよいですか?

ブルワーになるルートは大きく4つあります。(1) 醸造所の求人に応募して未経験から働く、(2) 海外のブルワリーで修行する、(3) 国内の醸造スクールで学んでから就職する、(4) タップルームスタッフとして入社し醸造業務にステップアップする、という方法があります。経験不問の求人も存在しますが、醸造の基礎知識や食品衛生に関する意欲を示すことが重要です。

Q5. クラフトビール醸造所を開業するにはいくらかかりますか?

マイクロブルワリー(小規模醸造所)の場合、醸造設備・内装・免許取得費用を合わせて1,500万〜5,000万円程度が初期投資の目安とされています。ブリューパブ(飲食スペース併設型)の場合はさらに飲食設備の費用が加わります。

Q6. 醸造所が多い都道府県はどこですか?

醸造所数が多い都道府県としては、東京都・北海道(約40ヵ所以上)・長野県・静岡県・神奈川県などが上位に挙げられます(2026年3月時点)。特に東京都は小規模なブリューパブが多く、北海道は道産素材を活かした中規模ブルワリーが充実しています。

Q7. 2026年の酒税法改正はクラフトビールにどう影響しますか?

2026年10月の酒税法改正により、ビール・発泡酒・新ジャンルの税率が一本化される予定です。これにより、大手メーカーの発泡酒や新ジャンルの価格が上がる一方、ビール(クラフトビール含む)は税率が下がり、価格差が縮小します。クラフトビールにとっては価格面での競争力が相対的に高まるため、追い風になると見られています。

まとめ

日本のクラフトビール醸造所は2026年3月時点で約950〜970ヵ所に達し、毎年新しいブルワリーが誕生し続けています。北海道から沖縄まで、各地域の風土や文化を反映した個性豊かなビールが醸造されており、まさに「多様性の時代」を迎えています。

本記事でご紹介した地域別のブルワリー一覧や注目の醸造所10選を参考に、ぜひお住まいの地域や旅先でのブルワリー巡りを楽しんでみてください。出来たてのクラフトビールをタップルームで味わう体験は、缶や瓶では得られない格別なものです。

また、「醸造所で働く」というキャリアの選択肢にも注目が集まっています。クラフトビール業界は人手不足の傾向にあり、情熱と行動力のある方にとってはチャンスが広がっている状況です。

2026年10月の酒税法改正を控え、クラフトビール市場はさらなる成長が期待されています。今後もBrewHubでは全国の醸造所情報を随時更新していきますので、最新情報をチェックしてみてください。

参考情報

本記事の執筆にあたり、以下の情報源を参照しました(2026年3月時点)。

  • [最新版 日本のクラフトビール醸造所(ブルワリー)一覧 – Always Love Beer](https://www.alwayslovebeer.com/craftbeer-microbrewery-brewpub/) ── 全国967ヵ所以上の醸造所を網羅したデータベース
  • [クラフトビール市場の動向と将来性(2025年最新版) – お酒トレンド研究所](https://om.seam-inc.com/marketresearch_craftbeer/) ── 市場規模・成長率・トレンド分析
  • [日本のクラフトビール市場規模・成長展望 2025-2033 – IMARCグループ](https://newscast.jp/news/7746868) ── 市場規模予測(CAGR 12.61%)
  • [主な地ビールメーカー出荷量データ – 東京商工リサーチ](https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1201922_1527.html) ── エチゴビール・伊勢角屋麦酒・ベアレン等の出荷量ランキング
  • [2023年上半期・下半期にオープンしたクラフトビール醸造所 – ビール女子](https://beergirl.net/2023-open-brewery-1_c/) ── 新規開業醸造所の一覧データ
  • [ビール醸造の年収データ – 給料バンク](https://kyuryobank.com/food/beerbrewers.html) ── ブルワーの年収・給与情報
  • [クラフトビール全国醸造所リスト – キタサンギョー](https://kitasangyo.com/beer/MAP.html) ── 地域別醸造所の地図データ

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